住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社

SUMITOMO SHOJI FINANCIAL MANAGEMENT

PROJECT STORY

クオカード社の買収

既存「QUOカード」のさらなる発行拡大とデジタル社会における
新たな決済ツールの創造を支える、私たちのプロジェクトをご紹介します。

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PROJECT STORY

01 PROLOGUE

M&Aを成功に導くため
適任な人材を探していた

2017年10月30日、住友商事グループの株式会社ティーガイアは、株式会社クオカード(以下、クオカード社)の買収を発表した。こうした大きなM&A案件は、社内各部署から集められたエキスパートと弁護士等の社外専門家で構成するプロジェクトチームで対応する。そのなかで、買収に関わる全ての「数字」を分析・取り纏めるのが経理・財務部門の役割。M&Aの妥当性を表す重要な情報となるため、高度な専門知識を有する者しか担えない。主軸となる人材を探すティーガイアが抜擢したのは、若手ながら適任との呼び声高いSFMの樋田だった。

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02 MISSION

検討と検証を重ねて
適正な会計処理を追求

企業に値を付けて売買するM&Aは、値付けをしやすい「モノ」と違い、人的資源やブランドイメージ、将来性等、目に見えない価値が多く含まれる点において高度な判断を要する。それに加え、当案件はクオカード社が行うプリペイドカード発行事業固有の会計処理の検討も伴う。クオカード社の買収前の会計処理に加え、発行金額や使用実績に関する実態を調査し、より適正な会計処理への変更を提案。この新しい会計処理(カード退蔵益等)の理解を得る為、説明に走り回った。しかし承認をとるまでのプロセスは想定外に難航した。

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03 REVIEW

難案件に取り組んでこそ
得られる学びと成長がある

一般的に経理・財務業務と聞いて思い浮かべるイメージは、静と動でいえば「静」。デスクで黙々と数字と向き合う光景を想像する人が多いだろう。でも、このプロジェクトストーリーが示すように、当社では会社の命運を左右するようなビッグプロジェクトに携わるチャンスがある。幅広い商品・サービスを取り扱う商社が母体だから、経理・財務業務を通して、様々な業界を知れるのも当社で働く魅力のひとつ。今回のM&Aを通して、多田と樋田は何を感じ、何を得たのか、今、振り返ってみる。

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PROJECT STORY

株式会社 ティーガイア
取締役 副社長執行役員 CFO
Tada Soichiro多田 総一郎

1979年住友商事株式会社入社。2008年6月より、住友商事フィナンシャルマネジメントの取締役を兼任し、2014年6月、ティーガイアの役員へ就任。

住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社
メディア・生活関連経理部
Toida Tatsuro樋田 達郎

2009年新卒入社。住友商事やグループ会社の経理業務を担当し、各種投資案件の会計処理に携わる。2017年4月より、ティーガイアへ出向。

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01 PROLOGUE
多田

樋田君は、ティーガイアへ出向する前から多くの投資案件に携わっていたんだよね。

樋田

担当していたのは、主に株式の譲渡や移動等の会計処理です。こんなに大きなM&Aに携わるのは初めてでした。

多田

クオカード社の事業はティーガイアが展開する決済ビジネスと親和性が高いから、実は数年前から買収を視野に入れていたんだよ。やっと話が具体化して本格的な検討に入ったのが、2017年の1月ぐらい。樋田君に期間限定の出向という形で異動してもらったのは4月だったね。

樋田

私が異動した4月の段階ですでにM&Aの話は進んでいたので、当初は途中から参加した感覚でキャッチアップに懸命でした。

多田

念願のM&Aで扱う金額もすごく大きいから、プロジェクトメンバーとして会計知識を豊富に備える人材がどうしても欲しかった。もともとは社外に募集をかけていたのだけれど、良い人がなかなか見つからなくてね。…これはどうしたものかと困っていたら、住友商事フィナンシャルマネジメントから、2年間の期間限定なら協力できるよ、と願ってもないご提案があって、すごく嬉しかった。樋田君のことは以前から知っていて、大変頑張っていると聞いていたから、すぐに指名させてもらったんだよ。
企業そのものを売買するM&Aでは、事業の将来性や人的資産等、目に見えない要素を含めて値付けをしなければいけない。何より、今回のような大型案件は付随する経理処理が膨大、かつ複雑。関係者もたくさんいるから、社内社外問わず多くの人と数字を擦り合わせて進める能力も必要。高いレベルで専門性を備えて円滑に仕事ができる樋田君に、どうしてもお願いしたかった。

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PROJECT STORY

02 MISSION
多田

今回の案件で苦労したのは、なんといっても、クオカード社の会計処理の変更及びそれに伴う新しい事業計画と、「のれん」(※1)をどう計上するかという点。買収の発表に間に合うように社外のアドバイザリーと相談したり、QUOカードの使用実態等も調べたりしながら、適正な会計処理を探っていき、結果的にOKが出たのは発表から3ヵ月過ぎた2018年の1月末。

樋田

発表前の10月中旬に纏めた初案で社内のコンセンサスがとれていたから、最初は安心していましたよね。ところが、第三者機関の承認がおりませんでした。仕方がないので、買収を発表する際の資料には、別途発表と記載して再検討に入りました。

多田

修正案の目処は、12月1日の完全子会社化の日までに承認をとること。…ところが、これも承認がおりず間に合わなかった。

樋田

次なる目標は、2017年度の第3四半期決算の発表日です。ここはもう、会計処理の変更を反映させ、「のれん」も入れて数字を出さないといけないデッドラインですから、修正案で承認がおりなかった時は、みんな真っ青でしたね。12月締めの決算を纏めるためには、通常1月中旬までに決着しないとダメだから、タイムリミットが急に迫った感じがしました。

多田

初案が固まった時点で取締役会等には報告しているから、説明した内容と大きく異なる結論がはじき出されたら一大事。11月末ぐらいから1月末までは、かなり緊迫した時間が続いていたね。

※1 買収・合併(M&A)の際に生じる「買収先企業の時価評価純資産」と「買収価額」との差額。買収される企業の純資産に上乗せされる目に見えない収益力や企業価値を指す。

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03 REVIEW
多田

社内社外全部の合意を得て、最終的に第三者機関の承認がおりたのは1月26日。12月締めの決算発表にぎりぎり間に合った。入社以来、40年近く経理業務に携わってきたけれど、今回の経理処理は3本の指に入るほど難しい内容だったと思う。

樋田

承認の電話連絡を最初に受けたのは私だったのですが、何ヵ月も思案し続けてきたせいか、すぐには信じられませんでした。ひょっとして数時間後に結論がひっくり返るかもしれないと疑ってしまいましたが、実際には本当の承認連絡でした(笑)。

多田

今回の案件で実感させられたのは、会計処理の妥当性と企業の説明責任への要求が年々厳しくなっているということ。逆にいえば、その分、経理・財務担当に求められる総合的なスキルや専門性のレベルも高くなっているということだから、やりがいや達成感は大きいよね。

樋田

特に事業規模が大きい住友商事グループでは、計算をして、答え合わせができるだけでは、本当の意味で経営に役立つ仕事をしているとは言えないですよね。何を証明したいのか、目的に沿った数値を抽出し、さらに集計データを様々な切り口から分析する能力も必要です。

多田

最後に私から、学生の方にメッセージを送ります。
住友商事グループが手がける投資案件は、規模の大小を問わずたくさんあります。樋田君のようにM&A案件の主要メンバーになれたり、海外案件で国境を超えてグローバルに活躍できたりと、チャレンジの場は豊富です。仕事を通して成長したいと考える人にとっては、最適な環境ですよ。